BMW、ゼネラルモーターズ、ホンダ、ヒョンデ、メルセデス・ベンツ、起亜、ステランティス、トヨタの世界的自動車メーカー8社による合弁会社「イオンナ」は、2月4日、米国での本格展開フェーズに入ることを発表しました。
同社は、ノースカロライナ州エイペックスに第1号となる充電ステーション「リチャージェリー」を開設するとともに、ダーラムに本社と顧客体験ラボを開設しました。2024年2月の設立以来すでに100か所以上の用地を確保しており、今週にはテキサス州ヒューストン、カンザス州アビリーン、アリゾナ州ウィルコックスでも新たなリチャージェリーがオープンする予定です。
イオンナは2030年までに全米で3万基の充電ポートを展開する計画で、これは現在のテスラのスーパーチャージャー網と同規模となります。すべての充電設備はCCS(Combined Charging Standard)とNACS(North American Charging Standard)の両方に対応するとのこと。

リチャージェリーは、充電設備や付帯施設の規模に応じて3つのタイプで展開されます。最も充実した「フラッグシップ型」は、充電スペースに屋根を設置し、トイレやラウンジ、飲食施設を完備。次いで、コンビニエンスストアチェーンと協力して売店やラウンジを提供する「パートナーシップ型」、そして、基本的な設備を提供する「リレー型」となっています。
なお、ノースカロライナ州ガーナーの施設にある店舗では、2025年第1四半期よりアマゾンの「Just Walk Out」技術を導入します。この技術は、AIとカメラ、各種センサーを組み合わせた無人決済システムで、利用者はレジを通さずに支払いを完了できます。

2024年後半に実施したテストでは、80種類以上の車両で4400回以上の充電セッションを実施し、約6万3000kWhの電力を供給しました。この経験を活かし、2025年末までに1000基以上の充電ステーションを新たに稼働させる計画です。また、プラグ&チャージ技術の対応メーカー拡大や、AI駆動のスマート予約・ルート最適化、車載決済システムの導入なども予定しています。

イオンナはこの取り組みを通じて、単なる充電インフラ整備にとどまらず、米国での雇用創出や製造業の発展にも貢献することを目指しています。



