ベトナムの電気自動車メーカーのビンファストは2025年6月29日、ハティン省ブンアン経済区に電気自動車製造工場を正式に開設したと発表しました。同工場は着工から7カ月足らずで竣工し、年産20万台の設計能力を持つビンファストにとって世界で5番目の製造拠点となります。
ハティン工場は、ビンファストが正式に生産を開始する2番目の電気自動車製造拠点であり、同社が世界的に展開する生産ネットワークの5番目のプロジェクトです。建設から設備設置まで7カ月足らずで完了したビンファストハティン工場は、これまでに建設された自動車工場の中でも世界最速レベルの建設スピードを実現しました。
工場の総面積は36万平方メートルで、車体溶接工場、塗装工場、総組立工場、物流倉庫、品質管理センターなどの主要な工場群を含んでいます。さらに、24万平方メートルの補助クラスターが建設中で、今後数年間でさらなる拡張が計画されています。
初期段階における同工場の設計能力は年間約20万台で、平均して1時間あたり35台の生産が可能です。
同施設は初期段階で約6000人の直接雇用を創出し、将来的には従業員数を1万5000人まで拡大する可能性があり、地域の社会経済発展に貢献することが期待されています。さらに、ビンファストハティン工場の存在により、協力企業が工業団地に進出することが期待され、同期化されたサプライチェーンの構築と2026年までに電気自動車生産における80%以上の現地化達成という目標の推進が見込まれます。
2025年の最初の5カ月間で、ビンファストはベトナムで最も売れている自動車ブランドとなり、5万6000台以上を納車しました。VF 3、VF 5、VF 6モデルが人気の車種となっています。ビンファストの電気自動車は、フィリピンやインドネシアなどのアジア市場でも注目を集めています。



ビンファストは現在、ベトナム、米国、インド、インドネシアの各国で5つの製造施設を開発中です。ベトナムで稼働中の2つの工場(ビンファストハイフォンとビンファストハティン)に加え、インドとインドネシアの施設も間もなく開設予定です。
ビンファストは、ベトナム最大手コングロマリットの一つであるビングループ(Vingroup JSC)の子会社の電気自動車メーカーです。現在の製品ラインナップには、さまざまな電気SUV、電動スクーター、電気バスが含まれています。