NVIDIAは2026年3月16日、同社の自動運転開発プラットフォーム「NVIDIA DRIVE Hyperion™」を活用した、世界の主要自動車メーカーやモビリティ企業との新たな協業や採用拡大を相次いで発表しました。
同日発表されたヒョンデ自動車グループ(ヒョンデおよびキア)との戦略的パートナーシップの拡大では、ヒョンデが持つソフトウェア定義型車両(SDV)の開発力や大規模な走行データと、NVIDIAのAIおよびコンピューティング技術を融合させ、次世代の自動運転技術を共同開発します。これにより、一部の量産車へのレベル2+(高度運転支援)の導入から、自動運転合弁会社であるMotional(モーショナル)を通じたレベル4のロボタクシー開発まで、データ主導でスケーラブルな自動運転システムの構築を目指します。
この動きに同調するように、BYD、Geely(吉利汽車)、そしてWayveのソフトウェアを採用する日産も、量産対応のDRIVE Hyperionをベースとした次世代レベル4自動運転プログラムの開発を進めています。商用車分野では、いすゞとティアフォー(TIER IV)がSoC「NVIDIA DRIVE AGX Thor™」を活用したレベル4自動運転バスの共同開発を推進しており、さらにアマゾンとはマルチモーダルなエッジAI機能を備えた「Alexa Custom Assistant」の高度化に向けた協業を通じて、プライバシーに配慮した次世代の車内インテリジェンスを提供することが明かされました。

また、自動運転配車サービス(ロボタクシー)の分野でも極めて大きな進展があり、NVIDIAはUberとのパートナーシップ拡大を発表しました。フルスタックのNVIDIA DRIVE AVソフトウェアで稼働する完全自動運転フリートを、2028年までに世界4大陸・28都市で展開する壮大な計画であり、その第一弾として2027年上半期にはロサンゼルスとサンフランシスコ・ベイエリアでのサービス開始が予定されています。
これに加え、Bolt、Grab、Lyftなどの主要モビリティ企業もDRIVE Hyperionを採用しており、ソフトウェア定義型ロボタクシーの普及に向けた業界全体のモメンタムが加速しています。こうしたハードウェアおよびパートナーシップの拡大を支えるため、AI主導の車両に量産レベルの安全基盤を提供する新たな技術群も発表されました。
安全ミドルウェアとアプリケーションを統合し、推論ベースのAIシステムが安全に動作するための基盤(ASIL D準拠)を提供する「NVIDIA Halos OS」や、ナビゲーションやテキストのプロンプトを通じて開発者が車両の挙動を直接制御できるオープンAIモデルの最新版「NVIDIA Alpamayo 1.5」が登場しています。さらに、3Dガウシアンスプラッティング技術を用いて現実世界のデータから高精細なシミュレーション環境を構築する「NVIDIA Omniverse NuRec」が提供されることで、開発者が稀な危険状況(エッジケース)のテストにかける時間とコストを大幅に削減できるようになるとしています。
NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアン氏は「動くものはすべて、最終的には自動化されます」と述べており、同社の技術が車両に周囲の認識と複雑な状況の推論能力を与え、安全でスケーラブルなレベル4の自律性を実現すると強調しました。ヒョンデ、BYD、日産といったグローバルメーカーからUberなどのライドシェア大手に至るまで、世界のEVおよび自動運転市場においてNVIDIAのエコシステムがデファクトスタンダードの1つとして定着しつつあることを印象付ける一連の発表となりました。

