テスラは2026年5月20日(日本時間21日午前)、カリフォルニア州フリーモント工場で、モデルS/Xの「シグネチャーエディション」の納車イベントを開催し、最後の生産車両350台(モデルS 250台、モデルX 100台)をオーナーへ引き渡しました。
イベントはXでライブ配信されました。テスラの公式Xアカウント(@Tesla)は同日、累計生産台数が75万台に達したことも発表。テスラのチーフデザイナーであるフランツ・フォン・ホルツハウゼン氏も自身のXアカウント(@woodhaus2)に「18年近く携わってきたモデルS/Xの開発から手を離すことができる」と投稿し、両車種の生産終了を明らかにしました。
After nearly 18 years I can stop working on Model S and X. We put so much love into these products, but will continue to pour that into the future products. Thanks to everyone who believed in and supported these cars through the years. We strived for the best and will never stop.… pic.twitter.com/4uNmUZVbIq
— Franz von Holzhausen (@woodhaus2) May 21, 2026
今回の「シグネチャーエディション」は1台あたり15万9420ドル(約2390万円)で、最上位グレードのPlaid仕様をベースに、限定カラー「ガーネットレッド」とゴールドカラーのキャリパー・Tバッジ・内装トリムが施された特別仕様となっています。カーボンセラミックブレーキ、プレミアムアルカンターラシート、エディションナンバリングも標準装備です。
ホルツハウゼン氏は「これらのプロダクトに多くの愛情を注いできました。これからはその愛情を次世代のプロダクトに注いでいきます。偉大なものに別れを告げ、さらに偉大なものへの場所を作ります」と述べました。

テスラは投稿の中で、モデルSとモデルXが自動車業界に与えた影響を振り返りました。2011年時点でEVの年間販売台数は世界全体で約5万台にとどまっていましたが、両車種が切り拓いた市場で、現在は年間2100万台が販売されています。
テスラが列挙したモデルSの「世界初」は以下の通りです。航続距離400マイル(約644km)を達成した初のEV、0-60mph(0-96km/h)を2秒未満で駆け抜けた初の量産車、9.23秒クォーターマイル(約400m)を記録した初の量産セダン、そしてNHTSAの車体強度試験機を壊してしまうほど強固な屋根を持つ初の量産車です。モデルXは最速の量産SUVとして、また規制上の横転試験を初めてパスした量産SUVとして記録に残っています。
テスラは両車種について「リアルワールドAIの出発点でもあった」と述べ、開発を通じて蓄積してきた実世界のデータがAI技術の礎となったことを強調しています。
モデルSが初めて世に出てから14年、テスラは一度もその改良を止めませんでした。現行モデルは初代と比べて部品点数を40%削減しており、初代と共通する部品は全体のわずか3%にとどまります。テスラはこれを「従来の自動車開発基準に換算すれば60年分の進化を14年に凝縮した」と表現しています。
フリーモント工場でモデルS/Xを製造していた生産ラインは、今後ヒューマノイドロボット「オプティマス」の量産設備へ転換される予定です。

