イーロン・マスクに関するドキュメンタリー映画「Musk」が、2026年9月8日、第83回ヴェネチア国際映画祭でワールドプレミア上映されました。監督はアカデミー賞受賞歴を持つアレックス・ギブニー。上映時間は3時間52分(インターバルを含め約4時間)という長尺で、米国では10月16日に劇場公開されます。マスクの元妻ジャスティン・マスクや実父のエロール・マスク、テスラ共同創業者マーティン・エバーハードらへのインタビューで構成される一方、マスク本人は出演を拒否しています。
話題を呼んでいるのが、マスクとの間に子ども(マスク氏にとって13人目)をもうけたと公言するアシュリー・セントクレアの証言です。彼女はヴェネチアでの記者会見にも登壇、「マスクとの関係を秘匿する見返りに4000万ドルのNDAを提案されたが、拒否しました」と明かし、真実を語るために本作への出演を決断したと語りました。マスクはSNSで「そのような提案はしておらず、彼女は虚偽の主張を繰り返している」と反論しています。また劇中では、マスク本人の実際の発言をCGIアバターとAI音声で再現する手法も採用。ギブニー監督は「彼の行動という”現実”と、彼が語る物語の”虚構”を対比させる意図的な演出」と説明しています。
ギブニーはAP通信の取材に、マスクの力の源泉を「事実と噛み合わない未来像を自信満々に語り、投資家を惹きつける能力」にあると分析。発明家というより投資家としての手腕が本質だと述べ、環境分野の旗手からトランプ支持へ転じた背景には、当時テスラが刑事捜査を含む連邦捜査を受けていた事情があったと指摘しています。欧米メディアの評は概ね辛辣で、「決定版」か「冗長」かで評価が分かれています。
マスクを巡る映像作品は、ウォルター・アイザックソン氏の評伝「イーロン・マスク」(上下巻)を原作とした劇映画も進行中です。2023年にA24が映画化権を獲得し、ダーレン・アロノフスキー監督が手がける予定ですが、2025年時点でキャスト・撮影時期とも未定のままです。
(EVcafe編集部)



