米アマゾン傘下で自動運転技術を開発するZooxは2026年9月1日、テキサス州ヒューストンとカリフォルニア州サンディエゴで走行テストを開始すると発表しました。両都市の追加により、同社が米国内で走行試験を展開する拠点は12カ所となります。
Zooxは初期段階からハンドルもペダルもない専用設計のロボタクシーを投入するわけではありません。CNBCの記事によると、まずはマッピング機能と自動運転システムを後付けしたトヨタ・ハイランダーを使用し、人間のセーフティドライバーを乗車させた状態でテスト運用を開始します。手動運転で市街地の地図データを収集した後に、システム制御による自動運転テストへと移行し、検証の進展に応じて最終形態である専用ロボタクシーの運行を目指すという段階的なアプローチを採用しています。展開のペースは安全性と運用面の準備状況に応じて決定されます。

ヒューストンについて、Zooxは同社にとってこれまでで最も広大な市場であると位置づけています。幹線道路に沿って複雑に重なる側道ネットワークや独特な合流パターンへの対応が求められるほか、厳しい猛暑、豪雨、都市部の冠水といった気象条件が自動運転システムの技術検証の対象となります。さらに、商業・文化・交通の各拠点が分散していることから、高い配車需要やファーストマイルおよびラストマイルの移動ニーズが見込める点も選定理由として挙げられています。
一方のサンディエゴは、沿岸部特有の地形と日常的な高速道路への依存度の高さから、将来的な高速走行に向けた重要な運用環境を提供する市場とされています。加えて、海洋性の濃霧は他の地域では再現が難しいセンサー群の認識精度の検証に活用されます。
現在、Zooxが有料の配車サービスを提供しているのは米国内でラスベガスのみで、サンフランシスコでは一部の登録利用者に無料で提供している段階です。ヒューストンおよびサンディエゴにおける旅客向けサービスの開始時期は未定です。ハンドルとペダルを備えない専用車両を商用運行するには、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)による連邦自動車安全基準の追加免除に加え、カリフォルニア州公益事業委員会など配車事業を所管する地域当局の許可も必要となります。

今回の発表と同日の9月1日には、競合であるアルファベット傘下のウェイモがデンバー、サンディエゴ、タンパの3都市で一般乗客向けの自動運転配車サービスを開始し、米国での展開を14都市に拡大したと公表しています。サンディエゴにおいてはウェイモが商用運行で先行する形となり、Zooxは同一市場においてマッピングおよび試験段階からの参入となります。
新規市場への進出にあたり、Zooxはテスト車両を投入する前に地方自治体や州の規制当局と事前調整を行う方針を強調しています。サンディエゴでは自動運転車の導入をめぐり、タクシーや配車サービスの運転手の雇用への影響を懸念する声が地元から上がっています。技術の検証だけでなく、こうした地域社会や行政との合意形成が、今後の本格的な商用運行に向けた課題となります。
(EVcafe編集部)
Zooxの自動運転走行テストに関する説明動画

