オランダのレイスウェイクと米オレゴン州ポートランドに拠点を置くロックシス(Rocsys)は2026年4月29日、ロボタクシー向けの自動充電システム「ロックシスM1」を発表しました。同社は同システムについて、複数の駐車スペースに対応する世界初のハンズフリー充電ソリューションであると説明しています。
ロックシスM1の特徴は、1基のシステムで最大10台分の駐車スペースに対応できる「マルチベイ」構造。充電エリア上部にレールを設置し、その上を長尺のロボットアームを備えたユニットがスライドして移動する設計。AIを活用したコンピュータビジョンとモーションインテリジェンスを組み合わせており、車両の到着検知から充電ポートの開閉、コネクタの抜き差しまでを自動で行います。

性能面では、6年以上にわたる実環境での運用データを学習させており、照明条件、天候、車両の停車位置のばらつきに適応し、99.9パーセントを超えるプラグイン成功率を実現。特定のメーカーや充電器に依存しない設計のため、混在する車種からなる車両群やさまざまなコネクタタイプにも対応可能で、車両側の改修は不要としています。
M1は現在パイロット運用段階にあり、すでに大手ロボタクシー事業者と契約を締結しているとされていますが、相手企業名は公表されていません。本格展開は2027年から開始される予定で、今後5年間で北米と欧州において数千基規模の充電ベイをカバーする計画です。

なお、テスラは10年以上前にロボットアーム型の自動充電装置を試作していましたが、市場投入には至りませんでした。同社が現在開発している専用設計のロボタクシー「サイバーキャブ(Cybercab)」については、有線充電ではなくワイヤレス誘導充電方式の採用が明らかにされています。
自動運転車の展開はウェイモ(Waymo)などのプレイヤーによって日々進められていますが、その運用には依然として人間の関与が必要とされていて、遠隔で車両を監視するオペレーターのほか、清掃や充電といった車両管理業務に従事するスタッフが存在します。
ロックシスのシステムは現在、充電プラグの差し込み作業を自動化するものですが、同社はこのプラットフォームを将来的に車内の自動清掃や点検にまで拡張する構想を明らかにしています。これにより、車内の汚れや忘れ物といった運用課題への対応も含め、デポ(車両基地)における管理業務の完全自動化を目指していくものとみられます。

