テスラの電動大型トラック「セミ」の量産が正式に始まりました。2026年4月30日、セミのXアカウント@tesla_semi がスタッフの集合写真とともに報告しています。
First Semi off high volume line pic.twitter.com/fI1AdQrJFH
— Tesla Semi (@tesla_semi) April 29, 2026
セミは、ロングレンジとスタンダードレンジの2モデルが用意されており、詳細なスペックも明らかになっています。
ロングレンジモデルは航続距離が約805km(500マイル)で、スタンダードレンジモデルは約523km(325マイル)。スタンダードレンジのホイールベースは短く設計されており、モデルYとほぼ同等の最小回転半径を実現しているとのことです。大型トラックとしては異例のコンパクトな取り回しは、都市部や狭い物流拠点での運用を想定したものとみられます。
両モデルに共通するスペックは以下の通りです。
– バッテリー:4680セル(スタンダードレンジは設計寿命約160万km)
– アーキテクチャ:48ボルト
– パワートレイン:後輪軸に独立した3モーターを搭載
– 最大駆動出力:800kW
– エネルギー消費:約1.06kWh/km(1.7kWh/マイル)
– 急速充電:30分で航続距離の60%まで回復
– 充電規格:MCS 3.2
– ePTO(電動パワーテイクオフ):最大25kW
車両重量はロングレンジが約1万0400kg(2万3000ポンド)、スタンダードレンジが約9100kg(2万ポンド)未満です。
技術面で注目されるのは、ステアリング系統の刷新です。従来の油圧式から完全電動アシスト式に変更されており、サイバートラック用を強化したアクチュエーターが採用されています。また48Vアーキテクチャの採用は、車載機器の電力効率を高めるとともに、将来的なソフトウェア拡張の基盤にもなります。ePTOは最大25kWの電力を外部機器に供給できる機能で、冷凍トレーラーや現場作業機器との組み合わせを想定しています。
充電規格にはMCS(Megawatt Charging System)3.2が採用されており、大型車両向けの超高速充電インフラとの親和性が高い仕様です。30分で60%まで充電できる速度は、長距離輸送における実運用上のダウンタイムを大幅に短縮することが期待されます。
米国のEVメディア「Electrek」によると、テスラ・セミの価格はロングレンジ版が29万ドル(約4650万円)、スタンダードレンジ版が約26万ドル(約4170万円)とされています。現在、一般的なクラス8の電動大型トラックの販売価格は40万ドルを超えているため、テスラ・セミは同クラスにおいて最も低い価格帯を実現しています。
今回の量産開始により、テスラ・セミはいよいよ本格的な商業展開のフェーズに入ります。

