EV充電インフラ事業を展開するテラチャージと東京都立病院機構は、2024年4月に、東京都内の11カ所※の都立病院へのEV充電器設置を進める「電気自動車用充電設備設置及び運営事業に関する連携協定」を締結しました。
※設置病院は今後現地調査を経て決定
東京都立病院機構は、東京都の医療政策として求められる行政的医療の安定的かつ継続的な提供や、高度・専門的医療等の提供及び地域医療の充実への貢献に向けた取組を推進し、もって都民の健康の維持及び増進に寄与することを目的として、2022年7月に設立された地方独立行政法人です。
東京都が設置する機構とあって、その規模は大きく、14の都立病院とがん検診センターを運営。東京都内に約7000床の病床と1万5000人を超える職員を有し、1日の平均外来患者数は約8000人、平均入院患者数は約4000人、年間の新来患者数は約27万人、新入院患者数は約12万人となっています。
今回、設置が予定されているのは、そのうちの11カ所の都立病院。EV充電器設置予定施設のリストには、東京都民には馴染み深い地域に根ざした都立病院の名前が並んでいます。
EV充電器設置予定施設名 | 所在地 |
東京都立広尾病院 | 東京都渋谷区恵比寿2-34-10 |
東京都立大塚病院 | 東京都豊島区南大塚2-8-1 |
東京都立駒込病院 | 東京都文京区本駒込3-18-22 |
東京都立豊島病院 | 東京都板橋区栄町33-1 |
東京都立荏原病院 | 東京都大田区東雪谷4-5-10 |
東京都立墨東病院 | 東京都墨田区江東橋4-23-15 |
東京都立多摩北部医療センター | 東京都東村山市青葉町1-7-1 |
東京都立東部地域病院 | 東京都葛飾区亀有5-14-1 |
東京都立多摩南部地域病院 | 東京都多摩市中沢2-1-2 |
東京都立松沢病院 | 東京都世田谷区上北沢2-1-1 |
多摩メディカル・キャンパス* | 東京都府中市武蔵台2-8-29 |
*多摩メディカル・キャンパスは、都立多摩総合医療センターをはじめとする複数の医療施設と看護学校(都立府中看護専門学校)が1カ所に集まる多摩地域の医療拠点
現在、東京都では「2050年CO2排出実質ゼロ」に貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向けた取組を推進。東京都立病院機構でEV充電器設置のプロジェクトを担当する戦略推進室施設計画課長の佐藤佳代子さんは、地球温暖化対策の視点を持ちながら、都立病院の施設整備等を進めています。
「東京都立病院機構の各施設では、地球温暖化防止等に資する省エネ対策等を実施しています。具体的には、エネルギー使用の状況を把握しながら、照明のLED化、空調温度の設定調整、不要箇所の消灯、設備更新時の高効率機器導入などを行ってきました。今後改築や大規模改修を行う病院については、長寿命・高耐久機器の採用、環境配慮型資材の使用や省エネ仕様設備の導入による環境負荷の低減、再生可能エネルギーの利用など、エネルギー効率に優れた建物として整備します」
都立東部地域病院
「ゼロエミッション東京」では、2030年目標として「乗用車新車販売 100%非ガソリン化」「公共用急速充電器1000基設置」等を掲げ、走行時にCO2を排出しないゼロエミッション・ビークルへの転換を推進しています。今回のテラチャージとの協定による11カ所の都立病院へのEV充電器設置は、そんな取り組みの一環であると佐藤さんは、その意義を語りました。
「そうした東京都の『ゼロエミッション東京』への取組の1つとして、都立病院においてEV用充電設備の設置を推進することといたしました。これにより、東京都の施策に寄与するとともに、都立病院に電気自動車でお越しになる患者さんや、家族や友人などの入院のお見舞いに来院された方々が、受診時間やお見舞いの時間などを利用して電気自動車に充電できるようになり、患者さんの利便性の向上につながればと考えています」
都立多摩総合医療センター
今回、地方独立行政法人との協定の締結が初めてとなるテラチャージは、今後、東京都立病院機構が運営する11カ所の都立病院へ急速充電器等の設置を進め、EVを充電できる環境を整備。各施設の調査を実施した上で、充電器の種類、設置場所や設置口数を決定し、2025年4月に充電設備の稼働を開始する予定となっています。