フェラーリは、かねて発表したように、初の完全電気自動車(BEV)モデルを2025年後半に発売する予定です。そしてその価格は、50万ユーロ(約8500万円)以上になる見込みであることが分かりました。驚きの価格設定ですが、むしろ、極めてフェラーリらしい価格だとも言えます。
関係者の話によると、フェラーリの創業の地・マラネロに新工場が建設中で、ここがEVを含む新モデルの生産拠点となる予定です。この工場が完成すれば、フェラーリの年間生産能力は現在の1万4000台から2万台超に拡大する可能性があります。
一方で、初のEVモデルには50万ユーロを下回る価格は設定されない見込みです。これはフェラーリが唯一無二の高級ブランドであり、富裕層をターゲットにした高付加価値の製品を開発する方針だからです。
例えば、一般的な高級EVで、10万ユーロ前後(日本市場では1370万円から)が相場となっているポルシェ・タイカンなどと比較しても、ワンランク上の価格水準になる模様です。
フェラーリは今後、ガソリン車とハイブリッド車に加え、EVモデルのラインナップを拡充していく考えです。2番目となるEVについても開発が進められている模様です。
ただし新工場が完成しても、年間生産台数は2万台を超えることはなく、フェラーリの”希少性”を維持する方針は変わりません。高級車にこだわり続ける同社の戦略にブレはないようです。