自動運転

経産省、スタートアップ企業「ティアフォー」のロボタクシー開発へ7億円交付

自動運転車両開発事業で注目の国内企業「ティアフォー」とは?

 自動運転技術の革新と社会実装に向けて、日本のスタートアップ企業「ティアフォー」が大きな一歩を踏み出しています。2024年8月、同社は経済産業省の「モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援補助金」に採択され、約7億円の交付を受けることが決定しました。この補助金を活用し、ティアフォーは自動運転タクシーと自動運転トラックの開発事業を本格的に推進していきます。

 ティアフォーは、自動運転タクシー事業では、株式会社AMANEと共同で、2024年度内に一般利用者向けのロボットタクシーサービスの実証実験を開始する計画。東レ・カーボンマジック株式会社と連携して新型車両を開発し、日本交通の協力のもと、東京都内の複数地域でサービスの実証を行います。同時に、AMANEとともにモビリティハブ構想の検証も進めます。

ティアフォーが新たに開発するロボットタクシー車両のデザイン
ティアフォーが新たに開発するロボットタクシー車両のデザイン

 一方、自動運転トラック事業では、いすゞ自動車や三菱ふそうトラック・バスの技術支援を受けながら、高速道路向けの自動運転トラック車両を開発。2024年度中に新東名高速道路での実証走行を開始する予定です。

 これらの取り組みは、日本交通との協業によるデータ共有プロジェクトと密接に関連しています。このプロジェクトは、自動運転のAI開発を加速させることを目的としており、2024年7月からティアフォーが開発したデータ記録システム(DRS)を搭載した車両を用いて共同でデータを収集し、大規模な共有データ基盤の構築を推進しています。

高速道路向けの自動運転トラック車両を開発
高速道路向けの自動運転トラック車両を開発

 DRSは、複数の高性能車載LiDAR、高解像度車載カメラや電子制御コンピューターを含み、車両の周囲360度や挙動に関するデータを高精度に記録するためのシステムです。収集されたデータは、ティアフォーが推進するCo-MLOps(Cooperative Machine Learning Operations)プラットフォームにアップロードされ、品質確認、匿名化、タグ付けなどの処理が自動で行われます。

 日本交通との協業では、2024年に5台程度の車両を用いて東京都内でのデータ収集を推進し、2024年末までに20万フレーム以上のアノテーション済みデータセットの構築を目指しています。2025年以降は車両台数を20台以上に拡大し、より広範囲で豊富な種類のデータセットの構築を進める予定です。

ティアフォーのロボットタクシー実証実験のハイライト

 ティアフォー代表取締役社長CEO兼CTOの加藤真平氏は、「本協業において収集するデータの応用範囲は広く、自動運転AIの精度を大きく向上させながら、ロボットタクシーの社会実装やソフトウェア定義型自動車の量産に向けた活動を進めていきます」とコメントしています。

 これらの取り組みを通じて、ティアフォーは「自動運転の民主化」というビジョンの実現に向けて前進します。世界初のオープンソース自動運転ソフトウェア「Autoware」の開発者として知られる同社は、パートナー企業との協力を通じて自動運転システムの可能性を拡大し、より安全で効率的な移動社会の実現を目指しています。

自動運転のための世界初のオールインワン・オープンソースソフトウェア「Autoware」

トップイメージ:ティアフォーが開発するA.D.E.E.A(自動運転電気および電子アーキテクチャ)のイメージ(ティアフォー公式HPより)

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