日産自動車は2026年4月14日、長期ビジョンを発表しました。電動化戦略の中核としてBEVの拡充を位置づけ、欧州向けの新型ジュークEVの初公開と、中国発のBEVセダン「N7」のグローバル輸出拡大を明らかにしました。あわせて、日本向けハートビートモデルとして新型スカイラインのティザーも公開されました。
今回の発表で日産は、商品ポートフォリオを現在の56モデルから45モデルへ絞り込みながら、各モデルのパワートレインバリエーションを拡充する方針を示しました。BEVはその中心的な選択肢と位置づけられており、将来的にはラインナップの約90%のモデルにAIドライブ技術を搭載する計画とも連動しています。
欧州市場向けのコアモデルとして初公開されたジュークEVは、2023年のジャパンモビリティショーで発表されたコンセプトカー「ニッサン ハイパーパンク」のデザインを踏まえた個性的なスタイルと先進機能を組み合わせたBEV専用モデルです。具体的なスペックや発売時期は今回の公式発表では明らかにされておらず、詳細は今年後半に予定されている戦略発表で示される見通しです。


中国市場向けBEVセダン「N7」については、今回のビジョンでラテンアメリカおよびASEAN市場への輸出拡大が正式に発表されました。N7は東風日産が主導して開発したミドルクラスのBEVセダンで、中国市場での販売が好調に推移しています。日産は中国を「コスト競争力の高い輸出拠点」と明確に位置づけており、N7はその戦略の中核モデルとなります。同じく中国で展開するピックアップトラック「フロンティア プロ」もラテンアメリカ・ASEAN・中東への輸出が計画されており、中国生産モデルによるグローバルな商品ポートフォリオの補完が進む形です。

今回の発表でもうひとつ注目を集めたのが、日本市場向けハートビートモデルとして公開された新型スカイラインのティザーです。日産はスカイラインについて「ドライバー中心で、高性能で意のままの走りを実現する」と説明するにとどめており、パワートレインや発売時期など具体的な情報は開示されていません。現行のV37型は2014年2月の発売から12年以上が経過しており、自動車専門メディアの間では次期型のBEV化を予測する声もありますが、日産は今回の発表でパワートレインについて明らかにしておらず、詳細は続報を待つ必要があります。

電動化戦略全体としては、BEVに加えてe-POWER、PHEV、REEVと幅広いパワートレインを市場ごとのニーズに応じて展開する方針です。米国市場ではBEVへの投資を市場動向と政策変化を見極めながら慎重に判断するとしており、地域ごとに異なる対応を取ることを明示しています。
日産は今年5月に予定している通期決算発表でRe:Nissanの進捗を報告するとともに、今年後半に長期戦略の詳細を改めて発表するとしています。ジュークEVや新型スカイラインをはじめとする各モデルの具体的な発売時期やスペックについては、続報が待たれます。


