ベントレーモーターズは2026年7月6日、新たなモデルシリーズの名称を「トルカル(Torcal)」に決定したと発表しました。トルカルは、コンチネンタルGT、フライングスパー、ベンテイガに続く第4のモデルラインとして、同社のラインナップに加わります。アーバンラグジュアリーSUVと位置づけられ、ベントレーとして初めてのフル電動モデルとなる点も特徴です。
名称の由来は、スペイン・アンダルシア地方にある自然遺産「エル・トルカル・デ・アンテケラ」です。幾重にも重なる石灰岩の岩層や断崖、迷路のような地形で知られ、長い年月をかけて自然の力により形成された景観として知られています。ベントレーは近年、ベンテイガ、バカラル、バトゥールなど、特別な自然景観にちなんでモデル名を命名する慣例を採用しており、トルカルもこの流れを踏襲した名称となります。
また「トルカル」という語は、ラテン語で「ねじる」「ひねる」を意味する「torquere」に由来し、英語の「トルク(torque)」の語源でもあります。
トルカルは、ポルシェ カイエン エレクトリックやアウディ「A6 e-tron」と共通の、フォルクスワーゲングループのPPEアーキテクチャを採用するとみられています。グループ内で高級EV向けに開発されたこのプラットフォームをベントレーが用いる形となり、グループ内でのプラットフォーム共用がプレミアムブランドのEV戦略においても広がりつつある状況がうかがえます。

もっとも、高級ブランドの電動化はかつての勢いから減速しています。ベントレーは2020年の「Beyond100」戦略で、当初2025年に初のEVを投入し2030年までに全車を電動化する計画を掲げていましたが、その後スケジュールを繰り返し後退させ、全電動化の目標を2035年に変更しています。ポルシェやアウディなど、電動化を急いだ他の高級ブランドも同様に計画を見直しており、トルカルはこうした慎重姿勢が広がる市場環境のなかで登場することになります。
トルカルの詳細は今後数週間にわたり順次公開され、2026年9月23日にロンドンで正式に発表される予定です。

