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オースティンのサイバーキャブがついに大台100台を突破! 無人ロボタクシー普及の今後と課題

2026 9/30
電動革命の波に乗る! EV株投資の秘訣
2026年9月30日
オースティンでは日常風景となりつつあるサイバーキャブ。わずか1日で登録台数がほぼ倍増した(クレジット:テスラ)

電動革命の波に乗る! EV株投資の秘訣 第60回 

by じんべい

 テキサス州で自動運転車として登録されているテスラのサイバーキャブが、ついに大台の100台を突破しました。9月23日・24日は69台で横ばいだったものが、25日付の登録データで一気に126台へ。わずか1日で57台、率にして約83%の増加です。翌26日には、テスラのロボタクシーアプリでも「サイバーキャブ・フリートが倍増した」と案内されたと報じられています。

 今オースティンで何が起きているのか。そしてこれは、イーロンが語る「サイバーキャブの嵐」の前兆なのか。今回は登録データの推移を振り返りながら、課題と今後の展開をじんべいなりに考察していきます。

現状を振り返る——「じわじわ」から「登録ラッシュ」へ

 まずはここまでの流れを整理しておきましょう。2025年6月にオースティンで始まったテスラのロボタクシーは、長らくモデルYが主力でした。2026年4月頃にギガテキサスでサイバーキャブの生産が始まり、6月30日には量産型の公道テストがスタート。8月下旬にはハンドルのない車両が公道に姿を現し、9月3〜4日にいよいよ一般向けの配車が始まりました。

 テキサス州の自動運車登録データで見ると、サイバーキャブの台数は次のように推移しています。

時点サイバーキャブ登録台数
9月3日(公開時点)45台
9月18日58台
9月22日67台
9月23〜24日69台
9月25日126台

 これまでは数日おきに数台ずつ、まさに「じわじわ」と増えてきたのが、今回は1日でフリートがほぼ倍増する登録ラッシュとなりました。

 テスラのロボタクシー全体で見ても、489台前後から546台に増えています。内訳はモデルYが420台、サイバーキャブが126台。サイバーキャブの比率は約14%から23%に上がっており、今回の増車の主役はモデルYではなくサイバーキャブだったことがわかります。

 ただし、ここで正確に整理しておきたい点が2つあります。一つは、このデータがテキサス州全体の登録台数であること。都市別の内訳は出ていませんが、サービスの中心はオースティンなので、新たに登録された車両の多くはオースティン向けと見るのが自然でしょう。もう一つは、登録はあくまで「走ってよい車」の数であり、実際に配車されている台数とは別だということ。25日夜の時点で、オースティンで実際に確認されたサイバーキャブのナンバーは50台弱という報告もあります。

イーロンが語る「サイバーキャブの嵐」

 イーロンはローンチ直前、Xにこう投稿していました。

 「A Storm of Cybercabs(サイバーキャブの嵐)」

 オースティンにサイバーキャブが大量投入されるイメージを前面に出した言葉です。ほかにも「従来の自動車製造より5倍以上速い生産に再設計した」「1マイルあたりの完全負担コストをどこまで下げたかを理解している人はほとんどいない」と、製造革命とコストの話を繰り返し発信しています。

 さらに9月下旬に配信された中国の国営放送CGTN(中国中央広播電視総台)の独占インタビューでは、こう語っています。

 「ハンドルもペダルもミラーもないサイバーキャブが、今テキサスで商業運行している。まもなくフロリダやネバダなど複数の州でも商業運行を始め、来年半ばにはおそらくカリフォルニアでも運行するだろう」

 興味深いのは、「今オースティンに何台走らせるか」という具体的な台数には、あまり触れていないことです。過去には「数カ月で1000台」「米人口の半分をカバー」といった大きな数字を掉げて未達に終わった経緯があります。今回は製造能力と展開地域の話に軸を移した印象をじんべいは受けています。

最初から金色の樹脂を成形したボディそのものが、サイバーキャブの大きな特徴(クレジット:テスラ)
最初から金色の樹脂を成形したボディそのものが、サイバーキャブの大きな特徴(クレジット:テスラ)

課題——「登録」と「実稼働」の間にある壁

 もちろん、課題がないわけではありません。じんべいが特に注目しているのは次の4点です。

  1. 連邦基準の壁:最大の変数はFSDの完成度よりも、ハンドルのない車両を連邦基準でどこまで認められるかです。NHTSAへの回答結果次第で、拡大のスピードは大きく変わります。
  2. ルート設計の未熟さ:10分のはずの移動が70分の迂回になった事例も報じられています。高速道路や踏切を避けるといった運用制限が残っており、タクシーとしての実用性はまだ不安定です。
  3. 製造の制約:年産約12.5万台規模のラインは用意されたものの、4680電池がボトルネックとされています。車体を作っても、電池と認証が追いつかない構造です。また9月下旬には、テキサスで自社生産したカソード(正極材)を使った最初のサイバーキャブが完成したという進展もありますが、量産規模で電池の供給が安定するまでには、まだもう少し時間がかかりそうです。
  4. 商品としての制約:2人乗りで13歳未満は利用不可。子ども連れや荷物の多い用途には向かず、短距離・少人数に特化した車両です。

 また、無人走行マイルは累計100万マイルを突破したものの、Waymoは2億マイル超の規模です。正直なところ、走行実績の積み上げではまだ差があるというのが現実です。

今後の予想——台数が増えると何が起きるのか

 今のオースティンでは、サイバーキャブとモデルYの料金はほぼ同じでも、待ち時間はサイバーキャブの方が長いという声もあります。つまり、乗りたい人に対して台数が追いついていない状態です。

 台数が一気に増えれば、まずは待ち時間の短縮が期待できます。そして稼働率が上がれば1台あたりのコストが下がり、いずれは料金の引き下げにもつながるはずです。待ち時間が短く、料金も安くなれば、利用者はさらに増える。まさに需要拡大の好循環が生まれるわけです。

サイバーキャブの料金はまだモデルYと大きな差はなし。今後、台数が増えればさらに安くなる可能性も(クレジット:テスラ)
サイバーキャブの料金はまだモデルYと大きな差はなし。今後、台数が増えればさらに安くなる可能性も(クレジット:テスラ)

 もう一つ期待したいのが、他都市への展開です。イーロンがCGTNで名前を挙げたフロリダやネバダに加え、ダラスやヒューストンなど既存のロボタクシー都市にサイバーキャブが加わるのは自然な流れでしょう。オースティンで運用実績が積み上がれば、次の都市への実装は時間の問題だとじんべいは見ています。

 ただし現実的には、「嵐」のように一気に街を埋め尽くすというより、「登録は速いが、実稼働は段階的」に増えていくと考えた方が良さそうです。2026年末に向けては、オースティンをショーケースにしながら、他都市へ数十〜数百台単位で広がっていく展開をじんべいは想定しています。本格的な収益化は2027年以降という従来の見通しとも整合します。

まとめ:「嵐」の入り口に立ったサイバーキャブ

 今回のニュースで確認できたことを整理すると、こうです。

  • テキサス州のサイバーキャブ登録台数が、1日で69台から126台へほぼ倍増した。
  • ロボタクシー全体に占めるサイバーキャブの比率は約14%から23%へ上昇した。
  • イーロンはフロリダ、ネバダ、そして来年半ばのカリフォルニアへの展開を示唆している。
  • 一方で、連邦基準・電池・運用面の課題はまだ残っている。

 「嵐が来た」というより、「嵐の入り口に立った」——今の段階をそう捉えるのが正確だとじんべいは思います。それでも1日でフリートが倍増したという事実は、テスラが生産と展開のギアを一段上げた証です。

 登録された台数が実際にどれだけ走り出すのか。そして次にどの都市へやってくるのか。目先の株価に一喜一憂せず、この歴史的な変化の行方を引き続き注目していきたいと思います。

文・じんべい

日本企業でサラリーマンをしながら、 米国株式投資や太陽光発電投資で資産形成し、2023年3月にサイドFIRE。 株式投資では、S&P500を積立投資しながら、 個別株はテスラを中心としたEV銘柄に集中投資を実行中。YouTubeチャンネル『じんべい【テスラとNio】について語るチャンネル』登録者数:約3万人。 X(Twitter)フォロワー数:約1万人。平日毎朝、Xにて前日のテスラ株価情報を発信、また毎週末にはYouTubeでテスラ株価ニュースを配信中。

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