電動革命の波に乗る! EV株投資の秘訣 第59回
by じんべい
待ちに待ったサイバーキャブ乗車イベントがついに開催されました。テスラはXで体験・コンセプト動画を公開し、当日はAIソフトウェアチームのアショク・エルスワミ氏らによる基調講演も行われました。イーロンの姿こそなかったものの、発表内容は充実したもので、テスラがロボタクシー事業を確実に次のステージへ進めていることが伝わってきました。今回は現地参加者の体験レポートや講演内容をもとに、詳しくお伝えします。
サイバーキャブの乗車体験——「低価格で快適」を目指した専用設計
テスラが公開した動画によると、乗車の流れはこうです。テスラアプリで目的地を入力し、走行ルートと到着時間を確認して予約をタップ。何分後にサイバーキャブが到着するかがビジュアルで表示され、到着後は何メートル歩けばいいかも案内してくれます。アプリからトランクも開閉でき、シートベルトを締めれば自動でドアが閉まり、画面の「スタートライド」ボタンを押せばそのまま発車という流れです。

車内はとにかくシンプル。目立つものは中央の22インチタッチパネルスクリーンのみ。レッグルームは広々としていて、シートはラウンジ寄りの姿勢まで深くリクライニングできます。乗車中はスポーツ観戦・テレビ会議・コンサート・ゲームなど、大画面でエンタメを楽しめる設計です。盲導犬などサービスアニマルも乗車できるよう、足元はシンプルで余計なもののない広々とした設計になっています。

参加したインフルエンサーの一人は「これまで乗ったテスラの中で一番。最高の自動運転体験だ」と体験を絶賛していました。価格を抑えつつ乗り心地や快適さはプレミアムを目指す——という方向性は、乗った人が実感できるものになっていたようです。
AIチーム基調講演:ロボタクシー無人走行が累計100万マイルを突破
今回の講演で最もインパクトのある発表が、テスラのロボタクシーフリート全体での無人(Unsupervised)走行マイルが累計100万マイルを突破したというニュースです。
ここで正確に整理しておきたいのですが、この100万マイルはサイバーキャブ単体の走行距離ではありません。オースティンを中心に展開している無人監視のロボタクシー(主にモデルYなど既存車両)を含む累計数字です。7月時点では約38万マイルだったものが、約6週間で一気に100万マイルへと急増しました。この発表の際、会場では自然と拍手が起こったとのことで、テスラチームにとっても大きな節目として捉えられていることが伝わってきます。
アショク氏は改めて、サイバーキャブの設計思想についても説明しました。「カメラのみによるエンドツーエンドのAIスタック」——ライダーやレーダーに頼らず、カメラとAIだけで全ての判断を行うというテスラ独自のアプローチです。
製造面の発表も注目でした。「アンボックスド」と呼ばれるモジュール型の製造方式を採用することで、生産ラインを従来比50%縮小、サイクルタイムも大幅に短縮。空気抵抗係数Cd値0.2未満という優れた空力設計に加え、RIM外装パネルを採用することで塗装工程そのものを廃止し、コストを削減しているとのことです。ロボタクシーとして大量普及させるための、設計段階からのコスト意識がひしひしと伝わってきます。
また、テスラ車に搭載されているGrok音声アシスタントとクラウド連携により、乗客の好みの設定を自動で反映できるようにする方向性も触れられていました。
そして講演の締めくくりには力強い宣言がありました。「テスラ全体が、サイバーキャブを数百万台規模へと展開する準備ができている。そして、それをごく近い将来に実現する」——現時点の実登録台数は数十台規模のスタートではありますが、組織・ライン・インフラとして次のステージへ進む意思が明確に示された言葉でした。
イベントの概況——参加者400人、その半数はテスラ社員
今回のイベントは招待制で、参加者は約400人。ただそのうち半数ほどがテスラの社員だったようで、かなり内向きのイベントだったと言えます。ライブ配信もなく、イーロンの登場もありませんでした。その点は少し残念でしたが、AIチームが直接ステージに立ち、開発現場の声で語ってくれたのはそれはそれで意義深いことだったとじんべいは思っています。一般向けの本格的な乗車サービスはイベント翌日以降に開始される予定で、今回はあくまで招待客を対象とした先行体験となります。
新たな動き:テスラがロボタクシー「事業者」を募集開始
イベントと並んで注目したいのが、テスラが公式ウェブサイトで「ロボタクシーネットワーク拡大への協力者」を募集するフォームを公開したことです。サイバーキャブフリートの購入・モビリティハブ/インフラの整備・イベント協力といった選択肢から興味のある分野を選ぶ形式です。
まだ厳密な「事業者募集」というより、今後の展開に向けてどれほどの需要があるかを事前に把握するための意図があるとじんべいは見ています。個人がサイバーキャブを1台買って運用して稼ぐ——という段階はまだ先の話ですが、テスラとパートナー企業がタッグを組んでネットワークを拡大していく構想が、少しずつ具体的な形を帯びてきています。

じんべいの総括——「始まった」という事実を冷静に受け止める
イベント後の時間外取引でテスラ株は約1%下落しました。前の記事でもお伝えした通り、「事実確定売り」はいつものパターンです。
今回のイベントで確認できたことを整理すると、こうです。
- ロボタクシーフリート全体での無人走行が累計100万マイルという節目を突破した。
- サイバーキャブの量産に向けた設計・製造の詳細が公開された。
- 数百万台規模への拡大に向けた組織としての意思が宣言された。
- 事業者向けの協力フォームという次の一手も打たれた。
「完成した」ではなく「始まった」——今の段階をそう捉えるのが正確だとじんべいは思います。テスラが着実にロボタクシー事業を次のステージへ進めていることは間違いなく、この歴史的な変化の行方をじっくり見守っていきたいと思います。

文・じんべい
日本企業でサラリーマンをしながら、 米国株式投資や太陽光発電投資で資産形成し、2023年3月にサイドFIRE。 株式投資では、S&P500を積立投資しながら、 個別株はテスラを中心としたEV銘柄に集中投資を実行中。YouTubeチャンネル『じんべい【テスラとNio】について語るチャンネル』登録者数:約3万人。 X(Twitter)フォロワー数:約1万人。平日毎朝、Xにて前日のテスラ株価情報を発信、また毎週末にはYouTubeでテスラ株価ニュースを配信中。

