電動革命の波に乗る! EV株投資の秘訣 第58回
by じんべい
テスラファン・テスラ投資家のみなさんにとって、9月は待ちに待った2大イベントが続きます。まずサイバーキャブの招待制乗車イベントが目前に迫り、さらに24日にはテスラセミの量産開始イベントも控えています。
ワクワクが止まらない反面、長年のテスラホルダーほど心のどこかに引っかかるものがあるのではないでしょうか——「テスラのイベント後、株価って下がるよね」という、苦い記憶です。今回はその「事実確定売り」について、データをもとに検証してみます。
2大イベントの概要——まずは内容を整理しよう
まず、2つのイベントを整理しておきましょう。
1つ目はサイバーキャブの招待制乗車イベントです。テスラから届いた公式招待状には「完全自律走行の未来を体験しよう」と明記されています。参加者は本番仕様のサイバーキャブに実際に乗れる可能性が高く、誰よりも早く公道でのサイバーキャブを体験できる、夢のようなイベントです。招待される方の発表も近く、抽選結果も楽しみですね。
2つ目は来月24日に開催予定の「テスラセミ・ロールアウトイベント」、つまりセミの量産開始を祝う記念イベントです。テスラセミは大型電動トラックで、ネバダ州の専用工場でいよいよ本格量産が始まります。サイバーキャブとテスラセミという2本柱が相次いで現実世界に解き放たれる——テスラファン・投資家にとって、非常にワクワクする1カ月になりそうです。

過去3年のデータで検証——テスラ株はイベント後に本当に下がるのか?
その前に少しだけ——2つのイベントが同じ月に続くのは偶然ではないと思っています。テスラはモデルS・Xの生産を終了し、フリーモント工場をオプティマス製造ラインに転換中。ネバダのセミ専用工場も完成に近づいています。「旧来の自動車メーカー」から「AIロボティクス企業」へと衣替えするその節目に、象徴的な2つの製品がほぼ同時に世に出てくる。この1カ月はテスラにとって、本当に歴史的な転換点になるかもしれません。
「テスラ株はイベント後に売られる」——これはただの思い込みなのか、それとも事実なのか。じんべいが過去3年の主要イベントを調べてみると、答えは明確でした。
まず、2023年11月のサイバートラック納車イベント。これはまだ軽傷で、翌日の株価下落は0.5%にとどまりました。次が2024年6月の株主総会で、翌日は2.4%の下落。そして最も記憶に新しいのが、2024年10月の「We, Robot」イベントです。イーロンがサイバーキャブに乗ってステージに登場し、参加者が会場で試乗できるという、テスラファンなら誰もが興奮したあの夜——翌日のテスラ株はなんと約9%の急落でした。これは本当につらかったですね。直近の昨年11月の株主総会でも、イーロンの新報酬パッケージが承認されるという前向きなニュースがあったにもかかわらず、翌日は約4%下落しています。

過去3年の主要イベント後のテスラ株:4連敗。
本記事に掲載したグラフをご覧いただくと一目瞭然ですが、「事実確定売り」は記憶ではなく、データで証明されたパターンです。今回のサイバーキャブ乗車イベントとセミ量産イベント後も、残念ながら同じことが起きる可能性は十分にあります。
なぜイベント後に売られるのか。理由はシンプルです。
「期待で買い、事実で売る」という投資行動が市場の常です。
イベントに向けて株価が先行上昇した分を、イベント後に利益確定する動きが出やすい。特にテスラは「新製品が登場するたびに、その期待を織り込んで先高する」銘柄として市場に認識されているため、このパターンが繰り返されてきました。
それでも、なぜ長期で持ち続けるのか
では、このパターンを踏まえた上で、今回のサイバーキャブイベントをどう見るべきか。
じんべいはこう考えます。短期の株価動向と、イベントの歴史的な重みは、全く別の話だということです。
ハンドルもペダルもない、完全無人のロボタクシーが有料で乗客を乗せて走り始める——これは人類の交通の歴史において、本当に教科書に載るレベルの出来事です。
テスラはすでに全米88都市・24州でサイバーキャブの目撃情報が確認されており、最近はアメリカ最大の都市ニューヨークでの目撃も報告されています。テスラのXアカウントもロボットとタクシーの絵文字を組み合わせた意味深な投稿を行っており、「準備は万全、いつでも走らせられる」と言わんばかりの雰囲気が漂っています。

その兆しは、数字にも表れ始めています。テキサスのロボタクシーフリートの登録台数は270台に達し、直近の1日だけで79台が新たに追加されました。これまで緩やかな増加が続いていましたが、ここにきて明らかにペースが上がっています。待ち時間の短縮も進んでいるようで、サービスの実質的なキャパシティが広がっている証拠と言えるでしょう。
現在フリートの中心はモデルYですが、来週いよいよサイバーキャブがこのフリートに加わることになりそうです。そしてサイバーキャブの参入は、単なる「車両の追加」にとどまりません。サイバーキャブはロボタクシーに特化した専用設計で、モデルYと比べて生産コストも運用コストも低く抑えられています。ハンドル・ペダルなどの人間用操作系統を一切省いたシンプルな車体構造が製造原価を下げ、テスラが目標とする1台あたりの製造コストはモデルYの半分程度とされています。運用面でも、量産EV史上最高水準の電費(165Wh/マイル)を誇り、ワイヤレス充電に対応しているため充電の自動化も可能です。つまり、1台あたりの稼ぎは増え、かかるコストは減る——ロボタクシー事業の収益性を一気に引き上げるポテンシャルを秘めた車両です。

これだけ多くのエリアでロボタクシーが展開されているということは、全米規制が整った瞬間にサイバーキャブを数百台・数千台単位で一気に投入することも、理論上は可能な状態になりつつあります。今は有料乗車ゼロ台のスタートラインに立っているだけで、気づいたらアメリカ中に金色のサイバーキャブが走り回っている日がいつか必ず来ると、じんべいは信じています。
イーロンはギガベルリンでのインタビューでこう言いました。「テスラ株は売るな。将来、大きな価値になる。俺はそう信じている」
その言葉を信じてテスラ株をホールドし続けてきた長期投資家にとって、サイバーキャブが本格的に街を走り始めるこの瞬間は、テスラという会社の「ビッグウェーブ」の第一段階が始まるタイミングだとじんべいは見ています。
まとめ——短期の揺れに惑わされず、大きな絵を見よう
データを正直に見れば、イベント後のテスラ株が一時的に下がる可能性は高い。それは認めます。でも、目先の株価の上下動に一喜一憂するより、「サイバーキャブが世界中で何千台も走っている時、テスラの株価はどうなっているか」という大きな視点を持ち続けることの方が、長期投資家にとっては何倍も大切だとじんべいは思います。
来週のサイバーキャブ乗車イベントは、そのスタート地点です。イベント後に株価が一時下がったとしても、それはビッグウェーブの前の静けさに過ぎないかもしれません。短期の株価の揺れに惑わされず、サイバーキャブが世界中の街を走り回っている未来に目を向けながら、テスラ投資家として一緒にこの歴史的な1ページを見届けていきましょう。

文・じんべい
日本企業でサラリーマンをしながら、 米国株式投資や太陽光発電投資で資産形成し、2023年3月にサイドFIRE。 株式投資では、S&P500を積立投資しながら、 個別株はテスラを中心としたEV銘柄に集中投資を実行中。YouTubeチャンネル『じんべい【テスラとNio】について語るチャンネル』登録者数:約3万人。 X(Twitter)フォロワー数:約1万人。平日毎朝、Xにて前日のテスラ株価情報を発信、また毎週末にはYouTubeでテスラ株価ニュースを配信中。

